神奈川労連

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労働相談コラム

2010年4月1日

33歳で過労自殺 小松製作所でロボットの研究開発

●横浜地裁に業務上認定求め提訴
小松製作所の岡部達さんは2000年6月、長時間過密労働に加え、精神的負担が重なり33歳の若さで過労自殺をしました。岡部さんは東京工業大学大学院修士課程を終了後、小松製作所に入り産業用ロボットの研究開発に従事しました。
99年10月に120時間、11月は95時間、12月は84時間と長時間労働を余儀なくされ、ロボットの開発チームリーダーとして極めて責任の重い役割を担っていました。

●支援する会を結成
平塚労働基準署、労災保険審査官、労働保険審査会では、「本人の脆弱性」「業務による精神的負担はうつ病を発生させるほどではない」として業務外となり、業務上の認定求め横浜地裁に提訴。働くもののいのちと健康を守る神奈川センターを中心として「支援する会」が結成されました。

●赤塚医師の意見書
精神科の赤塚医師が裁判所に提出した意見書は次のように述べています。
(1)会社に出勤している時間だけでなく、帰宅後も仕事をしていたことがあきらかになり、労働時間はかなりのものになっていた
(2)本人の努力だけではどうにもならないことを多く抱えながら、与えられた情況の中で業務を遂行するという裁量権の小さい又ストレスの多い状況であった。会社の支援体制の欠如した状況といえるだろう
(3)ごく短期間に突発的に自殺衝動が高まり、後先を何も考えることが出来ない中で致死的な手段で自殺を決行している。ロボットのトラブルのために転職できなくなると思い込み、何も考えられずに死しか選びようがなかったのであろう

●近日中に証人調べ
このようにロボット開発の困難性の中で会社の支援が得られない中での過労自殺でした。裁判では近日中に証人調べがおこなわれます。まじめに身を粉にして会社のために働いてきたのに、本人に責任を押しつける国側の態度は許すことはできません。闘いはこれからです。

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