映画「時の行路」上映スタート

「リーマンショック時のいすゞ自動車の派遣切りを題材に、労働者の連帯と家族愛を描いた作品」

神山征二郎監督が10月10日（土）の初日に舞台挨拶に2回立ちました。

台風１４号が関東地方に接近し、雨風が強まる中、横浜シネマリンのロードショーが初日を迎え、１０月１０日、神山征二郎監督が昼夜２回、舞台あいさつに立ちました。

神山監督は「映画は一にシナリオ、二に役者といわれるが、石黒賢さん、中山忍さんという魅力ある俳優が出演しています。石黒賢さんが、東京高裁で労働とは何かを訴える場面は、主演男優賞ものの演技です」と述べました。

神山征二郎監督　主演・石黒賢　中山忍　渡辺大　安藤一夫
綿引勝彦　川上麻衣子　日色ともゑ( ナレーション）

映画「時の行路」、神山征二郎監督インタビュー

横浜シネマリンで絶賛上映中の「時の行路」の神山征二郎監督にインタビューし、神奈川の人たちにメッセージを寄せてもらいました。聞き手は神奈川上映実行委員会事務局員・瀬谷昇司。（ダイジェスト版）

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瀬谷ラストのシーンはいろいろ意見があるようですが

神山　この映画では、「争議の裁判の結果は敗訴だ、あんまりだ」という声も耳にします。いうなれば、日本の厳しい現実、それを乗り越えていく者があるんだということを訴えたかったんです。単なる勝った・負けたという問題ではなく、生き方の問題として描きました。

瀬谷それがあのラストシーンですね

神山　自分としては自慢のラストシーンです。バスの中で主人公の石黒賢さんを、朝日が昇ってくるところを背景に撮るんですが、3回撮り直しました。シナリオも僕が書きました。

瀬谷「時の行路」神奈川上映実行委員会では、昨年11月に試写会を行い、今回横浜シネマリンでロードショーということになったわけですが、映画を2回観たというひとからこんな感想が寄せられています。「2回目の方が、家族が主人公のたたかいの意味を実感していく過程が心に響き、裁判で負けたということは1回目ほど気にならずに、泣けたというところかな？1回目は、映画はこうあってほしいという思いが強かったけど、2回目は素直に映画に引き込まれ、涙とともにこの現実を何とかしたいという思いを強くしました」というものです

神山　最初観たら分からなかったけれど、よく見たら分かったということはよくあることなんです。ぼくの中学・高校の後輩が大銀行の重役になっていたんですが、いつも岐阜でぼくの映画をみてくれているんです。その彼が「『時の行路』は最近の神山さんの映画の中で一番良かった」と久方ぶりに電話をもらいました。

瀬谷映画の出来という点では、石黒賢さんは熱演でしたね

神山　やっぱり東京高裁の法廷で主人公役の石黒賢さんの訴えは、白眉の演技、力があります。労働とはなんであるかと、難しいことを言いますが、石黒さんは、どういう意味か分かって演じています。素晴らしい演技です。石黒さんの訴えが終わり、バシャッと池辺晋一朗さんの音楽が入るいつみても好きなシーンです。石黒さんがどっかで賞をとってくれるといいな、と思っています。主演男優賞ものの演技です。

夫婦役の中山忍さんも役をよく掴まえているとおもいます。よくやってくれました。

瀬谷神奈川というのは、この映画の原作の舞台になった地でもありますが

神山　争議をたたかった人たちへの監督としての愛情は持って作ったつもりです。争議団個人というより、この時代を生きているわれわれみんなへ負けないで頑張ろうというエールを贈ったつもりです。

観客の声

主人公のたたかいの意味を家族が実感する過程がこころに響いた

「時の行路を観るのは、昨年１１月の試写会に次いでに２回目ですが、家族が主人公のたたかいの意味を実感していく過程が心に響き、裁判で負けたということは１回目に観たときほど気にならずに泣けたというところかな？１回目は映画はこうあってほしいという思いが強かったけど、２回目は素直に映画に引き込まれ、涙とともにこんな現実を何とかしたいという思いを強くしました」（６２歳の男性）

生きる希望がもてた

　「いすゞ争議が題材であることは知ってはいたが、映画のようなことがあったのかと、驚いた。生きる希望がもてた」（藤沢からきた５８歳の男性）

これでいいのかと思わせる問題

「裁判所が弱い者の立場に立って味方をしてくれないことはうすうす感じていましたが、原告敗訴のストーリーをまとめてみさせられると、これでいいのかと思わせる問題作です」（独立行政法人で働く５０歳の男性）

横浜シネマリン（上映時間）

10月10日（土）～10月16日（金）

12:35～14:30 , 18:50～20:45

10月17日（土）～10月23日（金）

10:00～11:55

10月24日（土）～10月30日（金）

10:00～11:55

10月31日（土）～11月6日（金）