神奈川労連

憲法を職場と暮らしに活かそう!あなたも労働組合へ!
労働相談コラム

2019年1月2日

自らの踏み出しに背中を押す

ある大手通信会社に6年間務めた女性から相談です。本人の希望で他の会社に転職を決め、1か月半前に口頭で上司に退職する旨の意思を伝えました。

 しかし上司は、「仕事の引き継ぎが済んでから退職願いを出せ」と、事実上依願退職を認めようとしません。当該職場には連合の労働組合があり、組合員である本人が相談しましたが返事はなし。また、会社には『退職届け』とした書式の書類はなく、『退職願』で提出する形式になっているとのこと。

 民法では退職の意思を通知し、2週間を経過すれば使用者の承諾がなくても、退職の事実は成立します。憲法においても『職業選択の自由』は保障されています。ただし、「就業規則等それを超える期間が定められている場合は、就業規則等の定めによった方が良い場合もあるので、注意が必要です」と労働手帳には記載されています。

 今回の件は、1か月半以上も前に上司に退職する意思を伝えていることであり、退職を認めるのは当然です。助言として、すぐに退職日を明記した上で退職届を内容証明付き郵便で送付すること、あわせて本人が希望している有給休暇の使用行使を記載するよう伝えました。

 その後、再度電話があり助言に従い実行したことと、氏名、電話番号、勤務地所在地を教えてくれました。会社が退職を妨害したり、有給休暇を認めようとしない時は、当該企業に存在する産別組合であるJMITUに相談するよう紹介しました。

 労働相談には、労働者がもっているさまざまな権利を行使するにあたり、自らが一歩踏み出すために、背中を押す役目もあると感じました。

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