神奈川労連青年部が主催する「沖縄平和学習ツアー」が、5月23~25日にとりくまれ、23人が参加しました。報告を掲載します。
今年は戦後80年。「平和とは何か」、そして「これから何をすべきか」。そんな問いを胸に、神奈川労連青年部は沖縄平和ツアーを企画することになりました。きっかけは、県の安保廃棄統一促進会議からの提案でした。
「青年部で沖縄ツアーをやってみないか?」この提案が、多くの出会いと学び、仲間たちの深い関係を育んでいくことになりました。
情熱的に牽引
その頃、全労連青年部が2月の沖縄平和ツアーの参加を呼びかけていました。
青年部から3人の代表を派遣し、彼らが現地で得た学びと感動を持ち帰ってくれることに期待を込めました。そしてこの3人が中心となり、神奈川独自のツアーの準備が始まりました。
彼らは、全労連のツアーから戻ってすぐ、青年部の会議で熱のこもった報告をしてくれました。今回の神奈川ツアーでは、団長、副団長、そして「宴会部長」という役割を自ら担い、情熱的に、そして楽しさも忘れずに全体を牽引していきました。
「知る」ことの意味
4月と5月に2回のプレ企画を実施。横須賀で米兵によって家族を殺された山崎正則さんの闘いをとりあげ、当時の弁護士や関係者を招いて学習会を行いました。
ある組合員(横須賀在住)はその話を聞き、自らの生活実感を語ってくれました。他の組合員(瀬谷区在住)も「米軍基地の存在と実生活とが結びついた」と語り、参加者は、自らの暮らしと日米安保条約の関係を初めて実感する機会になりました。
歴史を学ぶことは、過去と現在との連続性を認識し、私たちがどう未来につなげていくのかを思考していくプロセスとも言えます。参加者の間には少しずつ理解と共感が芽生え、確かなつながりが生まれ始めていました。
初対面から「仲間」へ
ツアーには、建設労連、福祉保育労、医労連、自治労連、地域労組などから23人が参加しました。平均年齢は32歳、最年少は18歳。ほとんどが初対面でしたが、2回のプレ企画と3日間の濃密な旅を通じて、「私」という点はやがて「私たち」という面へと変わっていきました。
ツアーでは「沖縄戦の歴史を学ぶ」、「基地問題を考える」ことを軸に、資料館の見学や平和ガイドの話など、学ぶ時間を大切にしました。移動中のバスでもガイドの方から多くを学び、LINEグループや班分けを通じて交流を促進。さらに、ニックネームで呼び合うことで、心の距離がぐっと縮まりました。
仲間とともに歩む
「みんなで成功させたい」という共通の思いが、学びと交流を通して「仲間」という感覚を生み出しました。
学ぶこと、交流すること―そのすべてを自分たちで企画し、運営し、経験することで得られるものは計り知れません。戦後80年という時代の流れのなかで、平和課題にとりくむ労働組合が減っています。しかし歴史を改ざんし過去と現在を分断する流れに危機感を感じる今だからこそ、私たちは意識的にこのテーマとむきあう必要があります。
今回のツアーは終わりではなく、はじまりです。6月10日には企画の第3弾、感想交流会を予定しています。参加者には、今回の経験を自分の職場や組合で語り、未来への希望を仲間とともに広げていってほしいと願っています。
「私」から「私たち」へ―
このツアーで得たつながりが、仲間がこれからの労働運動の力となることを信じています。