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2023年11月1日

ヤマト運輸の3万人超リストラの暴挙に対し労働組合に加入し、闘い大きな前進・成果

 ヤマト運輸がDM便などの事業を日本郵便に移譲することにともない、3万人を超える労働者の雇用が奪われる事態が発生しています。当事者が労働組合に加入し、大きな前進・成果を勝ちとりつつあります。

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(上の写真)40人近い報道関係者がつめかけた記者会見。前列に組合に加入した仲間と組合役員

1月末に〝クビ〟

 今年6月に、「ヤマト運輸グループと日本郵政グループの持続可能な物流サービスの推進に向けた基本合意」が発表されました。

 内容は、カタログなどを各家庭に配達する「クロネコDM便」を来年1月末に終了し、法人や個人事業主の小さな荷物を宅配する「ネコポス」を今年10月から順次終了し、日本郵便に配送事業を委譲するというものです。

 これに伴い、これまでヤマト運輸の各営業センターで、同社と業務委託契約を交わし、投函業務を行ってきた労働者(個人事業主)約3万人と、全国の配達拠点で仕分け作業を行ってきたパート労働者に対し、突然一方的に来年1月末での契約解除と解雇が通知されました。

 8月には対象者に対して、最終日まで働くことを条件にわずかばかりの謝礼金(慰労金)が支払われることや、再就職支援としてネットのサイトで求人情報を提供するという、極めて不誠実で無責任な通知がなされました。

死ぬしかない

 軽貨物個人事業主の仲間を組織する「建交労軽貨物ユニオン」には、全国各地から「助けてください」など悲鳴のような相談が寄せられており、一部を紹介します。

 「シングルマザーで22年間、配送業務を行ってきた。突然の契約終了で途方にくれています。使い捨てのようで悲しく思っています」 「今年68になります。先が見えずに悩んでいます。行きつくところは死ぬしかないと最近は思うようになりました。未だ勤務していますが、毎日ヤマトを憎んで仕事しています」 労働組合には、その他の業務に従事する労働者からも「解雇を通告された」という相談が入っています。

ヤマトと団交

 横浜・鶴見の拠点で10年以上働いてきた三上さん(写真前列の右から2人目)は、突然の通告に「一生懸命やってきたのに、納得できない」との思いで、雇用継続を求めましたが、聞いてもらえませんでした。ヤマトの労働組合にも相談し、改めて会社側から説明がありましたが、「組合とも協議し、例外なく対象となる方に辞めてもらう」という対応でした。

 困っているときに、知人から日本共産党の古谷・横浜市会議員の事務所を紹介され、相談した結果、建交労を紹介され加入しました。

 さっそくヤマト運輸に対して団体交渉を申し入れ、10月16日に第1回の団交を行いました。茨城の事業所で働く女性パート労働者18人も建交労に加入しており、団交には三上さんと茨城の3人が当事者として、組合役員とともに参加し、思いをヤマト本社の交渉担当者にぶつけました。

驚くべき回答

 団体交渉では、6月にパート労働者に渡された文書は「解雇通知ではない」、「お願いベース」のものという驚くべき回答がありました。三上さんは「解雇通知を受けてから、4か月も思い悩んだのは何だったのか」と憤ります。

 会社は団交で、「再配置の精査をしている」旨の回答もしたことから、組合側は解雇通知の撤回と、説明のし直しを求めました。

 ヤマト運輸が方針を変更したのは、労働者が組合に加入し声をあげたこと、マスコミも活用し大きく社会問題化したこと、全労連の協力も得て短期間に6万近い署名を集めたことなど運動の成果です。

 団交後は記者会見を行い、多くのマスコミ関係者が集まり、注目を集めています。

解雇を撤回

 その後、三上さんに対しては、拠点長自らの個別面談が行われ、解雇撤回とお詫びが口頭で伝えられ、同じ職場の対象者にも解雇撤回が伝えられ、みなが喜ぶ大きな成果が実現しています。茨城でも個別面談が始まっており、まだまだ予断は許しませんが、パート労働者の雇用確保に展望が開かれています。

 一方、委託契約で配送業務を行っている労働者については、ヤマト運輸は「労働組合法上の使用者にあたらない」ため「団体交渉には応じかねます」と団交を拒否しています。労働組合では、労働委員会も活用して団体交渉を行わせ、働く場の確保をめざすことにしています。

 ヤマト運輸とともに、業務が移譲される日本郵便に対しても、希望する労働者を受け入れて雇用を継続するよう働きかけを行っています。

ご協力を

 要求を前進させるために、多くの仲間を組合に迎えるためのとりくみも実施していきます。リストラの対象となったヤマトで働くお知り合いがいたら、ご紹介ください。QRコード(右側)からはリストラ情報と相談フォームのページには入れるので、そちらも紹介してください。

 さらに、ヤマトに責任を果たさせるためにネット署名を継続しています。これもQRコード(左側)からアクセスしてご協力ください。

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