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2022年1月1日

「『気候危機』打開にむけて労働組合ができること」見える化プロジェクト座談会

 『気候危機』が全人類的な課題になるなか、労働組合として「何をするのか」も問われています。神奈川労連は、「2・26シンポジウム 気候危機打開と労働組合~気候正義を実現するために労働組合ができること~」を開催することにしています。

 20年のメーデー後に発足した『神奈川労連見える化プロジェクト』は、労働組合の活動を未組織労働者や市民にどう見せ、組織拡大につなげるかを考え、試行錯誤を繰り返してきました。議論のなかで発案された企画が、今回のシンポジウムです。企画したメンバーに思いや展望を語りあってもらいました。

労働組合が知られていない

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 「見える化プロジェクト」の活動を振り返り、どのように発展させていくのかを考えていきたいと思います。今までTwitterとYouTubeを使って最低賃金やメーデーなど労働運動について「見える化」しようと発信してきました。どうでしたか?

 Twitterについて、フォロワーは何とか増やせています。でも身内以外の人からのリツイートやフォローがまだまだ少ないと思います。

長尾 私も一緒に運営していましたが、組織外の人が興味をもつ内容を見つけないと伸びないような気がします。

柏木 YouTubeでも似たような課題があります。視聴者数をどうすれば増やせるか考えたいです。

 そうですね!SNSを伸ばすためにも、そもそも労働組合の課題は何かから考えていければと思います。

柏木 多くの労働者はそもそも労働組合の存在を知らない、労働組合に触れたこともない。そういう人が多いのではないでしょうか?

 確かに認知されていない事は大きな課題ですね。

柏木 労働組合の活動は魅力的だと思いますが、それが伝えきれていない?

長尾 リアルに出会う他に、SNSを活用できればもっと多くの人に労働組合を知ってもらう事ができますよね。

 そう。「見える化」プロジェクトがこの1年半やってきたことって、労働組合の魅力を伝えるとりくみだったと思います。

世界の若者が声をあげて

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 労働運動は、春闘での賃上げといったことの他にも、労働相談活動や、雇用保険・最低賃金などの制度や法律をつくるなど幅広いですね。

柏木 社会を変えよう、社会問題を解決しようという活動もありますよね。いま私たちが全国見渡して解決しなければならない課題ってたくさんあると思います。

 気候危機の問題。世界では多くの若者が気候危機打開を求めて声を上げています。私も夏の異常な気温、頻発する大雨に不安を感じます。

柏木 若い世代は現在の平均寿命を生きられないかもと言われています。寿命が来る前に地球で住める場所がなくなるかもしれない。そんな危機感が若者世代を動かしているんだそうです。

長尾 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は人間の経済活動によって温暖化が進行したことは間違いないと断定しましたね。今のままの経済活動をつづけるのかが問われていると思います。

労働組合自らの役割

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柏木 最近は日本でもFriday For Futureのように積極的に気候危機問題の活動をしている若者も出てきた。こういう人たちと労働運動が一緒に運動をつくれないですかね?

 企業の行き過ぎた経済活動を規制することは、まさに労働組合の役割です。市民運動との連帯も大事ですし、労働組合が自らの活動領域でどう動くのかもとても大事だと思います。

 ヨーロッパの労働組合はすでに気候危機問題にとりくんでいますね。国や企業に対して、再エネ・省エネシフトのための補助金を求めたり、どうやってCO2を削減していくのかを労働組合として資本に要求しています。

柏木 気候危機に正面からとりくむことで、環境団体や活動家ともつながるし、組合への信頼も深まると思います。

長尾 資本が儲けのために気候温暖化対策にとりくまないのであれば、組合がしっかり意見を言ってほしいですね。

知って、考えて、行動へ

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 労働組合は憲法で保障されている組織であり、数の上でも最も大きな力を持つ組織です。気候危機打開にむけて役割が問われていますね。

柏木 市民運動と連携することに加え、自分たちの団体交渉の相手である企業・産業界・自治体や国に対して、気候危機についてとりくませるよう要求していくことが大事だと思います。

長尾 それには私たちが知識を付けながら、何ができるのか考えることが大事ですね。

柏木 そうですね。知識をつけて、労働組合が気候危機に立ちむかう理由・方法を考えていきたい。それを内部や外部に発信していくことで労働組合への信頼と団結のすそ野が広がると思います。

薮 気候変動問題にとりくんでいる市民団体とともに、私たち自身が学び、何ができるのかを考えるシンポジウムは大切な企画だと思います。

柏木 神奈川労連の仲間の力を結集して、2月26日のシンポ『気候危機打開と労働組合~気候正義を実現するために労働組合ができること~』をぜひ成功させましょう。

座談会の参加者

 柏木 哲哉さん(神奈川県医労連書記長)
 長尾 瞳さん(学習協会・会員)
 星 めぐみさん(ユーコープ労組常任中央執行委員)
 薮 治さん(横浜地区労事務局長)

気候危機打開2・26シンポジウム

参加費 無料

日 時:2022年2月26日(土)13時30分

会 場:建設プラザ2階ホール

テーマ:「気候危機打開と労働組合~気候正義を実現するために労働組合ができること~」

内 容:第1部 基調講演 明日香 壽川さん(東北大学教授)
    第2部 シンポジウム(パネリスト)
        明日香 壽川さん(研究者)
        竹下 武さん(全労連常任幹事)
        鈴木 陸郎さん(横須賀火力発電所建設を考える会)
主 催:神奈川労連

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