神奈川労連

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労働契約・法規違反 労働相談コラム

2025年12月1日

労働契約? 請負契約?

 40代の女性労働者からの相談。マンションの配管清掃の会社で働きはじめたが、『労働条件通知書兼請負契約書』を渡された。8時30分から17時、日給1万1千円。当日現金払い。超過分は月に1回口座に振り込む。契約は1か月更新で何もなければ自動更新。会社からは「請負契約なので社会保険や雇用保険、労災保険の加入なし、源泉徴収もなし」と言われている。「不安なので辞めようと思っている」というものだった。
 すぐに、「労働条件通知書兼請負契約書はありえない。内容を聞くと労働法に保護されない請負契約なので辞めた方が良い。きちんとした労働(雇用)契約が結べる会社に勤めたほうが良い」とアドバイスすると、相談者も「そうしようと思う」と言っていた。
 労働基準法では、労働契約を締結する場合に、労働者に対して労働条件を明らかにするように義務付けており、就業場所、業務内容、始業・終業時刻、賃金などの重要事項は、労働契約書や労働条件通知書などの書面の交付により明示しなければならない。
 雇用される労働者には労働基準法による労働時間規制、休憩、休職の権利、労働契約法による解雇保護や有期雇用規制(無期転換権など)、最低賃金、労災などの保護がある。
 しかし、請負契約のように雇用によらない個人事業主としての働き方は、労働法の保護がすべて受けられなくなる。こうした個人請負は、使用者としての法的責任を全面的に回避できる、究極の「非正規雇用」ともいえる。
 労働条件通知書と請負契約書はまったく性格が違う書面であり、一緒にしたような書面で労働者をまどわし、使用者の責任を回避しようとするやり方にだまされてはいけない。

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