「はたらく女性の神奈川県集会」が、6月22日に開催され、60人超が参加しました。
歴史に学ぶ
しんぶん赤旗外信部の記者で韓国を取材する栗原千鶴さんが、「戒厳令を止めた韓国女性たちの闘い」と題して講演を行いました。
昨年12月3日夜、当時の尹(ユン)韓国大統領が戒厳を発令しました。「戒厳」は韓国憲法に定めがあり、「最初は、北朝鮮との戦争が始まったのかと思った」と栗原さん。しかしその後、国会などの状況がライブ配信されるのを見て、「何かおかしい」と感じます。
戒厳解除の議決をさせないために、国会周辺に軍隊が配置されます。国会内に入ろうとする国会議員や駆けつけた市民らと軍隊がもみ合いになります。その際、市民は若い兵士にむかい「歴史の罪人になってはいけない」と呼びかけます。同じように、徴兵などで軍隊に入っている若者に対し、多くの両親などが「絶対に銃の引き金を引いてはダメだ」などと連絡したそうです。
背景には1980年の光州事件と呼ばれる戒厳の際に、多くの市民が軍隊によって犠牲になったことを韓国の社会・人々が学んでいることがあります。韓国では、教科書で教えるだけでなく、記念碑などをつくって歴史を風化させない努力がされています。
若い女性が中心に
発令から2時間後には国会議員が決議をあげ、戒厳は解除されました。その後、暴挙を許さず大統領の罷免などを求めるデモや集会が連日のように全国でとりくまれます。その中心となったのが、20~30代の女性でした。
韓国は日本よりも家父長制が強い状況ですが、危機感をもった若い女性たちはSNSを主な情報源として自発的に集会につどい、次々に自らの言葉で発言しました。
集会の参加者は、アイドルグループを応援するペンライトを持ち寄りました。「戒厳で真っ暗な世の中。家で一番明るいものを持ち寄ろう」とのSNSをきっかけに、若い女性たちが始め、全世代に広がりました。「光の革命」と呼ばれる所以です。
戒厳令を出した大統領は罷免され、79%の投票率で新しく進歩派の大統領が選ばれました。多くの課題がありますが、行動に参加した若者たちは「広場が教科書。闘争と連帯を学んだ」と言い、主権者として政治にかかわることを語っているとのことです。