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2021年度神奈川県 最低賃金の改正決定に 対する異議の申し立てをしました!


2021年度神奈川県 最低賃金の改正決定に
対する異議の申し立てをしました!

 

2021年8月18日

神奈川労働局局長

川口 達三  様

神奈川県労働組合総連合

議 長  住 谷 和 典

2021年度神奈川県最低賃金の改正決定に対する異議申し出書

 

「神奈川地方最低賃金審議会の意見に関する公示」がありましたので、下記のとおり異議の申し出を行います。

1.神奈川県の最低賃金を時間額1,040円とすることに不服を申し立て、最賃時間額の大幅な引き上げを行うよう再審議を求めます。

2.県内労働者と家族の生計費を確保する最低賃金額の水準、全国一律最低賃金制度、そのための中小企業支援策などについて議論を尽くし、審議会を全面的に公開することを求めます。

 

【 理 由 】

コロナ禍の下で地域経済が疲弊し、最低賃金の大幅な引き上げによる経済の底上げが求められているにもかかわらず、私たちが求めてきた「全国一律1500円以上」からは程遠く極めて遺憾であるといわざるを得ません。

神奈川県労働組合総連合(神奈川労連)は、憲法や最低賃金法が保障する「健康で文化的な生活」を実現するには、「時間額1500円以上」が必要であると考えており、大幅な引き上げを求めています。以下、異議申し出についての理由を述べます。

 

1.最低賃金額が生計費に満たず、生存権を保障できない

私たちの全国組織である全労連は、全国で「最低生計費試算調査」に取り組み、その結果から「8時間働けば人間らしく暮らせる」には、全国どこで暮らしていても月額24万円(時給1500円)以上必要であることを明らかにしてきました。5月には「全国一律最低賃金制度の実現を求める署名」16万筆を国会に提出し、党派を超えた110名もの国会議員が紹介議員となっています。

全国では、今年だけでも島根県や岩手県、北九州市や京都府などで全国一律最低賃金制度や最低賃金の引き上げと格差の是正、中小企業に対する支援の強化を求める意見書を採択するなど、最低賃金の引き上げと地域間格差の是正を求める声・世論は着実に広がっています。

「時間額1,040円」という額は極めて低い水準です。1日8時間、月22日間働いたとしても月額18万3040円にしかなりません。この収入では、単身労働者でも食うや食わずやの生活になることは、容易に想像がつくのではないでしょうか。神奈川労連は、最低賃金額は憲法25条が定める生存権を保証する金額であるべきであると考えます。

コロナ禍の今、私たちの暮らしに不可欠なエッセンシャル・ワークを担っているのは、低賃金・不安定雇用の非正規雇用労働者です。スーパーなど小売業で働く労働者の22.2%・約130万人は最低賃金ギリギリの低賃金で働いています。8時間働けば「ふつう」に暮らせる賃金が得られる最低賃金額にするということは、生存権を守るための最低限の補償であると考えます。

2.経済を再建するためにも大幅引き上げが必要

審議会において使用者側は中小企業の経営の苦しさを理由として引き上げに反対していますが、この主張はまったく納得いくものではありません。

中小企業の経営困難の根源は最低賃金にあるのではなく、大企業による単価切り下げや消費税増税、国内需要の6割を占める個人消費の落ち込みにあると考えます。いずれも国や行政の施策によって改善・解決がはかられる問題であり、最低賃金抑制の理由とはなりません。

経営困難の責任を労働者に負わせ、最低賃金を抑え込むべきとの主張は全くの的外れであるだけでなく、今後の地域経済の発展をも阻害する近視眼的な主張であり認められるものではありません。そもそも、コロナ禍のもとで経済活動にストップをかけているのは国であり、必要な支援は国に求めるべきです。

諸外国のように政府が中小企業予算を確保し、直接的な経営支援を本格的にとりくむことが必要です。コロナ禍によって飲食や観光など、様々な中小企業が直面する困難は、最賃引き上げを「凍結」すれば無くなる困難ではなく、政府・自治体による抜本的な支援こそが求められています。

また、コロナ禍にあっても2020年度の税収は過去最高となり、中でも法人税の伸びが顕著で、大企業の内部留保も膨らみ続けています。それらを活用して公正な取引を実現し、中小企業への支援を強化すれば、最低賃金の大幅な引き上げや全国一律制度の確立は十分に可能であり、そのことが、コロナ禍の経済悪化から脱して、地域循環型経済をつくるベースになります。

 

3.審議会の全面的な公開を求めます

貴審議会が、県内を代表する公益・労働者・使用者の委員が議論する審議会であるからこそ、県内労働者また使用者にとっての「あるべき最低賃金水準」を議論していただくことを改めて求めます。そして、真摯な議論の状況を公開していただくことが、県内の労働者・使用者が最低賃金への理解を深め、社会的な合意を形成していくうえで、有効だと考えます。審議会の全面的な公開を求めます。

また、今回の引き上げ額を28円とした具体的根拠などの開示も求めます。

 

4.全国一律最低賃金制度の確立など本質的な議論を求めます

全国一律最低賃金制度については、地方の首長が国に要望し、与党自由民主党の国会議員によっても格差の是正を求める議員連盟がつくられています。神奈川地方最低賃金審議会においては、全国2番目に高い最賃額の審議会として、全国をリードする議論を求めます。

さらに、答申でも述べられている中小企業支援策について、厚生労働省や中央最賃審議会任せではなく、神奈川地方最賃審議会としての提言・提案をまとめ、厚生労働大臣に提出するなど、実現に向けた具体的な取り組みを求めます。

 

以上

 

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