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2019年9月2日

神奈川地方の最低賃金、ついに1,000円を突破「時間額1,011円」に

まともに生活できる1500円をめざそう

 神奈川地方最低賃金審議会の「答申」が出され、最低賃金が10月1日から「時間額1011円」に引き上げられることになりました。神奈川と東京で史上初めて1000円を突破することになります。

継続した運動の成果

 神奈川労連は30年前の1990年1月に結成して以来、最低賃金を少なくとも時間額1000円以上にすることを求め、最低賃金裁判なども闘ってきました。全国の仲間と連帯した運動や、最賃引き上げを求める世論の盛り上がりによって、1000円を突破したことは、私たちが勝ちとった成果です。

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 神奈川労連結成当初の最低賃金時間額は520円でしたから、ほぼ倍増させてきたことになります。表にあるように2000年代初頭には、財界の抑えこみによって、ほとんど上がらない時期もありましたが、生活保護水準との逆転現象などについて問題を指摘するなかで、最低賃金法の改正を実現し、引き上げ額の上積みをはかってきました。

30万人超の賃上げに

 以前の最低賃金はあまりにも水準が低いために、正規労働者などにはほとんど関係がない状況でした。しかし、この間の引き上げによって、時間給で働く労働者だけでなく、正規労働者の賃金にも影響を及ぼすまでになっています。

 労働局は最賃の引き上げによって、どれだけの労働者に影響が出るかを調べています。昨年の引き上げでは神奈川県内の8.6%の労働者に影響したとの調査結果が出ており、県内30万人超の労働者の賃金が、最賃引き上げに伴って上がったことになります。

 高卒初任給が時間単価で最賃を下回るために、賃金表全体の底上げを行う職場も出ており、正規労働者の賃上げにも連動してきています。

まだまだ不十分

 引き上げを実現してきたことは成果ですが、まともに生活できる生計費を満たす点では、まだまだ不十分です。「1011円」でフルタイム働いても、月額で15~16万円程度、年収で200万円前後であり、ワーキングプアであることに変わりありません。

 神奈川労連は「めざせ1500円」を掲げており、最低限この水準が必要です。さらなる引き上げを実現する運動を強めていきます。

全国一律制度を

 もう一つの大きな課題は、全国バラバラで格差が大きいことです。今年の中央最低賃金審議会の「目安」では、さらに格差が広がる状況でしたが、地方の最賃審議会が奮闘し、16年ぶりに1円ですが格差が縮まりました。

 それでも最高と最低には223円の差があります。全国チェーン店などでは、売っている商品の値段はほぼ同額、仕事もマニュアルによって全国共通、であるのに賃金だけは1時間に200円以上も違う。こんなおかしなことはありません。

 最賃額の差が、一般労働者の賃金差にもつながり、地方から労働者が流出し経済が衰退する要因にもなっています。世界では当たり前の全国一律最低賃金制度を、一日も早く実現することをめざします。

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