神奈川労連

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労働相談コラム

2018年8月10日

医師からの相談

ある医療法人グループのクリニックの院長をしている医師から相談があった。1年間の有期雇用契約(自動更新あり)の契約更新にあたり、経営側から「次年度は9か月の有期雇用にしたい」と言われたが、こういう契約は認められないとして新たな契約書に押印していない、と言う。

 本人は、このクリニックに未練はなく転職をしたいが、初めの契約書に「退職は10か月前までに申し出ること」という記載があり、すぐに辞めるにはどうしたらよいか、という相談であった。

 医師という専門的な労働者の相談であることから、民主医療機関(民医連)に問い合わせをしたところ、「後任不在」による診療所閉鎖の損害賠償の請求を受ける可能性があるので、話し合いで円満に解決したほうが良い、ということであった。そこで、相談者の方には弁護士を紹介した。

 今年の3月に厚生労働省は「働き方改革実行計画」に基づき「医師の労働時間短縮に向けた緊急的なとりくみ」(通達)を各都道府県知事に出し、労働時間管理を適正に行い、改善を図ること求めている。

 神奈川労連の労働相談センターにも、医師からの労働相談がこれまでも複数寄せられ、産休・育休が取れない、長時間労働、解雇された問題などで労働組合に加入の案内などしてきた。

 国会では「働き方改革関連法」が強行成立させられたが、残業時間の上限規制の対象から医師は外されている。ヒトの命を預かる医師が、命を脅かされながら働く事態は異常である。すべての労働者が安心して生涯働ける制度を早急につくる必要がある。

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