神奈川労連

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労働相談コラム

2016年6月1日

賃金・労働条件を改善させてなぜ辞めるの?

2人の女性が相談に来た。30代のFさんと高校を卒業したばかりのYさん。二年半、そば屋でアルバイトしてきたが時給がずっと850円だという。閉店時刻を過ぎての後始末も手当は払われたことがない。店側に賃金の改善を申し入れても「売り上げが伸びたら」と言うだけ。

 2人の2年分の最低賃金との差額は10万円、5万円になる。今回、改めて最賃保障、待遇改善を申し入れた。経過の詳細は省略するが、1か月後振り込まれたとの報告を受けた。若い2人の行動から他の従業員の賃金も改善されることになった。

 高卒のYさんは4月から別の会社に就職したが、Fさんは引き続き働き続ける、と思ったら「居づらいから辞めます」という。労働相談をやっていて、一番もどかしいと思うのはこの瞬間だ。実はこの見本を大人たちが示し続けてきているのも労働相談で痛感することだ。

主権者を育てるとは?

 18歳選挙権が実現したが、文科省は「校外の政治活動も届出制を」などと愚かなことを言っている。当たり前の意見や権利を主張すると睨まれるとか、居づらくなるという職場・地域・社会を変えることは、大人の主権者の課題と言っていい。

 全教が行った「高校生・中学生一万人アンケート」で、「憲法9条は戦後の日本の平和のために役に立った」に高校生72・8%が「そう思う」と答えている。「今の日本では、働く権利が保障されているか」に男子は40%、女子は48・8%が否定的だ。

 高校生の62%が「投票に行く」と答えている。高校生の政治意識は大きく変わろうとしている。民主主義・立憲主義のありかたを若者たちとともに考え行動することが、いよいよ必要になっていると思う。

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