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2010年9月14日

神奈川労連は最低賃金「1000円以上」求め異議申し出

最低賃金法違反の容認は許されない!時間額「818円」(29円アップ)を答申

神奈川地方最低賃金審議会は8月11日、県内の最低賃金を現行時間額789円から29円(3.68%)引き上げ、時間額818円とするよう労働局長に答申しました。

神奈川労連・県国民春闘共闘会議は厚生労働省自らが認める生活保護基準との乖離額「47円」を解消しないことは明確な最低賃金法違反であることを指摘し同時に、本来の生活保護基準である「時間額1400円以上」をめざしながら少なくとも「時間額1000円以上」をただちに実現するよう審議会と労働局長に求めてきました。

2000人超が行動参加

8月3日には横浜にある国合同庁舎前で「時間額1000円以上」をめざす「1000分ハンスト」を実施するなど70人を超える仲間が参加しアピールを繰り広げました。

また、同日には職場や家庭でステッカーを付けながら最賃引き上げをアピールする行動を提起。かながわ生協労組では1000人目標で参加を呼びかけ目標を大きく上回る正規・パートあわせて2010人もの仲間が行動に参加しました。そして、審議会が開催された8月10日、11日にも早朝・昼休みの宣伝や座り込み行動を展開しました。

「目安」を下回る

しかし審議会は、乖離額を解消せず最賃法違反の状態を容認する「答申」を行いました。しかも、中央最低賃金審議会の「目安」において神奈川は「30円」の引上げが示されたにもかかわらず1円低い「29円」の答申を出したことは労働者・県民の期待をまったく裏切るものです。

すでに答申が出された他の県では「目安」にプラスする答申が出されており神奈川の審議会の異常さが際立っています。

同時に、この数年の引き上げは私たちの運動の貴重な成果でもあります。07年19円、08年30円、09年23円、今年が29円となれば4年間で101円の引き上げです。月150時間働いたとすれば15150円の賃上げを勝ち取ったことになります。

「1400円以上」が必要

そもそも厚生労働省の試算した生活保護基準は下記にあるように不当に極めて低くみせかけている基準です。

①生活扶助は少なく算定(保護の「級地」を人口加重平均を使用)
⇒県庁所在地の値を用いるべき
②住宅扶助を少なく算定(生保受給者の実際家賃を使用)
⇒制度の基準額を用いるべき
③勤労必要経費(勤労控除)は無視
⇒労働者の賃金であることから、当然、勤労控除を認めるべき
④税金と社会保険料の控除も少なく算定
⇒各地の実態をふまえるべき
⑤労働時間は長く算定(月173.8労働時間を使用)
⇒これでは残業込みの平均時間に近い。
所定労働時間の実態をふまえ、月150時間で計算をすべき

神奈川労連の試算では本来の生活保護基準は「時間額1400円以上」になります。1400円でフルタイムの月150時間働けば21万円年間1800時間で252万円でありこれこそが多くの労働者・県民が実感として納得できる最低限の生計費水準です。

この基準に最賃額を引き上げることを目標に私たちがこの間求めてきた少なくとも「時間額1000円以上」をただちに実現することが
憲法・最賃法の主旨に沿い同時に消費不況に苦しむ日本・神奈川の経済を回復させる確かな方策です。

経営側からも引き上げの声

最賃の大幅引き上げは私たちだけが主張していることではありません。労使代表による「雇用戦略対話」では不十分ながらも
「全国最低800円、全国平均1000円」で6月に合意しました。また、横浜弁護士会は「生活保護水準を大幅に超えるよう引上げられるべきである」との「会長声明」を出しています。

さらに
「最低賃金引き上げは最大の成長戦略だ」
(富士通総研)
「消費拡大へ最賃底上げ」「生活水準改善と一石二鳥」
(アイリスオーヤマ社長)など、
企業の研究機関・トップからも
最賃の引き上げを求める声が出ています。

神奈川労連・県春闘共闘会議は神奈川労働局長がこの不当な「答申」に与することなく労働者・県民の期待にこたえる神奈川県最低賃金の改定を行うよう強く要請する「異議の申し出」を8月23日に行いました。

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