神奈川労連

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パワハラ

2015年3月6日

会社は社長の私物?気分次第で辞めさせられる

■suzu(男性、40代)さんからの告発

■雇用形態:正社員
■ブラック労働の実態・経験内容
私自身は既に自己都合退職をしていますが、社長からのパワハラ(奥さんが経理で従業員の悪口、陰口を言い社長本人も理不尽が多く)業務内容ではなく本人達の気分で自己退職に持ち込む会社です。
営業はほとんど退職しています。(T・Dジャパン株式会社)

【ワンポイントアドバイス】

SUZUさんが問題視している「社長の気分感情でのパワハラ」はまったく道理のない違法・不当行為です。
確かに従業員を自由勝手に使えるんだと豪語する勘違い社長も少なくありません。私も「雇ってやってるんだから文句を言うな。文句があるなら辞めちまえ」なんていう時代錯誤の発言を平気でする方にもお目にかかったことがあります。
しかし、会社の社長とはいえ従業員を奴隷のように私物化してよいわけではありません。

経営者と労働者は「対等な雇用契約」を結んで、経営者は「働く場所」を提供し、労働者は「労働力」を提供している契約関係にあるというのが原則です。
ですから、契約以外の事はそもそも自由です。(自由というのは何をやっても自由という意味ではなく、人に迷惑をかけない程度に自由という意味です。まあ当たり前のことですね。)

とはいえ、労働者と経営者とでは立場が違います。
対等と言っても「「嫌なら辞めろ。変わりはいくらでも、、、」なんて言われたら労働者は困ってしまって文句の一つも言えないでしょう。
ではどうするか。
そもそも対等ではない両者を対等にするために、日本国憲法では「労働三権」という権利を労働者に与えています。
また、「労働基準法」や「最低賃金法」「労働契約法」「労働安全衛生法」などの様様な法律で労働者の最低限の権利=ワークルールを定めています。
このワークルールと労働三権を使えば、社長の横暴をストップさせ、快適な職場環境をつくっていくことができます。
従業員が安心して、生き生きと働く職場のほうが絶対に生産性もあがって経営者にとっても良いことだと思うのですが、それが理解できなくて野生動物のように気分感情で従業員に接する経営者がいまだに多いのはとても残念です。
(理解できているのに、わざと意図的にパワハラや違法行為を繰り返す会社も最近は増加しています。いわゆるブラック企業と言われる企業です。ブラック企業は確信犯なのでまた違う対応が必要です)

Suzuさんはすでに退職されているとのことですが、もし退職する前に相談していただければ会社を変えていくアドバイスもできたかと思います。ぜひ、辞めるまえに労働組合にご相談ください。

こういう化石企業に未来があるかと言われれば言葉に詰まりますが、とはいえ今の時代は転職が容易にできる状況にはありません。
辞めるよりは「会社を変える」努力をするほうがおそらく勝機があるような気がします。

前出の「労働三権」やワークルールを使えば、会社を変えていくことも可能です。
具体的に言えば、労働組合をつくって(一人でも可能です)、会社にワークルールを守らせるんです。
ワークルールは法律で決まっていることですから、いくらわからんちんの社長でも守らないわけにはいきません。

「なんかおかしいな?」と直感的に感じたことはそんなに間違っていません。
その「なんか。。。」というあいまいな感じを「確信」に変えるためにも勉強をしましょう。
労働組合に相談してくれれば、その一歩を踏み出せますよ!

(O/Y)

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